再会

大阪在住の私は、お弟子さん制度の講座に参加する際に東京のホテルに泊まる。第1回目の時は2日目の講義が終わった日曜日の夜に新幹線に乗って自宅まで帰ったが、かなりバタバタでかなり遅くなった。ご縁あって仲良くなったお弟子仲間たちと飲みにも行きたいし、時間的余裕も欲しい。と、いうことで、日曜日の晩も泊まることにした。

 


そうなると、翌日にそのまま帰るのはもったいない気がして、せっかくなので、誰かに会おうかな、と考えてみる。

 


小学校時代からの大親友の娘ちゃんが千葉に住んでいる。もう結婚して子どもも生まれた。時々ライン交換をしていて、お弟子さん制度のことを話すと、「会えませんか?」と言ってくれた。そうだ、R奈ちゃんに会いに行こう!話はすぐに決まった。

 


私の大親友は、15年前に亡くなった。その時R奈ちゃんは7〜8歳。私は2歳の娘を連れてママ友たちと天王寺動物園にいた。千葉での葬儀には間に合わなかった。本当は急げば間に合ったのかもしれない。でも、行けなかった。行かなかった。

 


ちゃんとサヨナラしていないせいか、まだ信じられないでいる。会いたいなぁって思う。

 


彼女の携帯番号はそのまま私の電話帳に登録したままにしていた。ある日、ふとかけてみたら繋がってビックリして切った。ドキドキした。

 


そうこうするうちに、ラインにR奈ちゃんを見つけた。ママの番号をそのまま使っているんだ。なんだか嬉しかった。

 


それからR奈ちゃんの成長をライン越しに密かに見守っていた。でも、ずっと連絡はできなかった。突然見知らぬ人からメッセージが届いたら、怪しい人だと思われてブロックされたらそこで全てが終わってしまうような気がして…

 


去年、久しぶりに小学〜中学時代を過ごした高知に帰った。父親の転勤だったが、今でも大好きな土地で故郷に帰る感覚だ。地元の友だちに「おかえり」って言われてそう思った。懐かしくて楽しくて、とっても素敵な時間を過ごした。その時、亡くなった親友のお姉さんに会うことができた。高知に行けたのもお姉さんに会えたのもいろんな偶然が重なってのことだった。そんな弾みで勇気が出てR奈ちゃんに連絡をしてみたら、予想以上の嬉しい返事がすぐに返ってきた。とっても優しくて明るくて良い子だった。しっかりして人当たりが良いのは、ママの闘病中も亡くなってからも、パパを助けて弟の面倒を見て大人になったんだな、というのがわかる。

 


R奈ちゃんと繋がって、親友とも再び繋がった気がした。嬉しかった。R奈ちゃんも喜んでくれた。

 


それから時々ラインを交換するようになった。そして、今回の再会計画。私はR奈ちゃんが小さい時に何度か会ったことがあってよく覚えていた。最後に会ったのは亡くなる1年くらい前だったが、R奈ちゃんは会ったことは覚えているけれど、私のことは覚えていないらしい。それだけ月日が流れたんだね。会えるの楽しみだね。

 


でも、私の予感が、「今回は会えない」って言う…

 


会う約束の前日の日曜日に連絡が来た。子どもの体調があまり良くないらしい。残念だけれど、私はそうなることがわかっていた。R奈ちゃんの感情が伝わってきた。わけのわからない恐怖心…

 


その気持ちわかるよ。ママと重なっちゃって、ママをリアルに思い出しそうで、淡い思い出が急に鮮明に近くになるようで、混乱しちゃったんだね。R奈ちゃんがまた会いたいって思ってくれる時まで待ってるね。

 


状況は違うけれど、私も4歳の時に母を失ったの。私の母はね、父と離婚して出て行っちゃった。