おかあさん①

昔々、芸者さんとお医者さんが恋に落ちました。そして芸者さんは身ごもり、女の子が生まれました。それが私のおかあさんです。


芸者さん(私のおばあちゃん)は子どもを育てられず、お医者さん(私のおじいちゃん)が引き取りました。その後、おじいちゃんは教師をしている女性と結婚をしました。そして女の子と男の子が生まれました。おかあさんも私と同じ感じの長女だったんだね。


それからどのくらい後のことかわからないけれど、おじいちゃんは愛人を作り、その人と一緒に長野から大阪に行って開業したそうです… まったく…


おかあさんはおじいちゃんを頼って大阪に行ったそうです。おじいちゃんが自分を見捨てなかったことが救いだったのでしょうか。育ててくれた母親や妹、弟といるよりも血の繋がった父親といたいと思ったのでしょうか。もしかして居場所がなかったのでしょうか。おかあさん、どんな子ども時代を過ごしたのかな。


私の父親の叔父と、おじいちゃんの本妻さんが教師仲間だったことで、それぞれ、甥と娘(義理の)を紹介し合うことになり、私の両親は出会い結婚しました。


結婚する時に両親は、おかあさんのおかあさん(芸者さん)を一緒に探したそうです。でも、見つかりませんでした。会いたかっただろうな。その気持ちわかる。でも、子どもと離れ離れになることを選択する気持ちはわからない。結局、おばあちゃんもおかあさんも同じことをしているわけで… 歴史を繰り返さないわけにはいかなかったのでしょうかねぇ。


心理学上、両親の影響はとても大きくて、その影響が引き起こす様々な問題… 特に恋愛や結婚のパターンは心理学あるあるですよね。おかあさんも教科書通りでした。


でも、だから、きっと、心温まる家族を必要として、幸せな家庭を心から望んでいたんだと思うのですが。